本物
仕事で人の優しさに触れた。
その人は公的な組織のトップで、
私よりも30くらい年上だろう。
民間で、反骨精神だけで、
やみくもに自分の主張を振り回す私に、
公的な舞台では公的な戦い方があると言い、
その戦い方のアドバイスをくれた。
別にそんな義理なんかないのに、
なんか気にかけてくれたのだ。
同じ地位にある連中の中には腐ってるやつばかりで、
これまでたくさん失望してきた。
だからその人のことも半信半疑だった。
でも彼には彼の信念があるんだろうな。
話してて、見えてきた。
自分の至らなさに気づき、
そこに手を差し伸べる人がいることにショックを受けた。
話をしている間はなんとかこらえて、
見送ってから1人で泣き崩れた。
そういうのが見えるのは戦えばこそだし、
やっぱりがんばっていかなきゃならない。