ディスオーガナイズド
想像力の必要性をどれだけ語っても、
想像力のない人の心には届かない。
すでにその重要性をわかりきった人々は、
その重要性について書かれた書物、
その欠如を嘆いた映画、
その素晴らしさを歌った音楽に胸を打たれ、
それを傑作だと賞賛する。
でもその意味することがわかるのは、
そんなことはわかりきった人たちだけで、
その彼らがぜひ伝えたいと思っている対象、
つまりそれが欠如してしまっている人々には、
その重要性はうまく伝わらない。
うまくイメージできないだろう、きっと。
だって想像力がないのだから。
こう思ってしまうとただただ虚しいし、
そんなことはないと信じたい。
でもその見えざる壁はたしかにあり、
私たちは日々その壁と戦っている。
そんなイメージがある。
マシな時代ならこの壁は大した問題ならない。
でもヤバい今のような時代、
この壁の高さ、固さにおののき、
気分が沈む日はその壁を見上げてため息をつく。