夜の木陰のサルパンチ

メンクラ猿の毎日をつづります。

ささるそれ

さて、今日はKの話。

 

Kは一回りくらい下の異性の友人。

教え子だったことがある縁で

なんとなく連絡を取り合ってきた。

 

2年前に私がいまの仕事の準備をはじめ、

Kはたまに職場に遊びにくることがあった。

 

Kはこれまでの20数年の人生に自信がない。

私から見れば十分に魅力的な人生に見えるし、

恥じることなど何もないと思える。

そしてそのことを私はKに伝えてきた。

きみはなんも誤ってないし、そして若い。

だからいまきみのやってることはもちろんだけど、

これまで歩んできた道も全て間違ってなんかいない。

そのことを伝えてきたつもりだった。

 

先日、Kは私にメールをくれた。

そこには私への感謝とともに

もうしばらく会わないというようなニュアンスがあり、

私はなんなのだろうと感じていた。

 

今日、久々に職場に現れたKは、

別れ際に「もう大丈夫なんだよ」と言った。

よほどのことがない限りなんとかなる、と。

 

「でもべつに何かが起こったって大丈夫だよ。

きみは若いんだし。どうとでもなる」

 

「いや、それは困る。それは無理。

もうあんな感じにはなりたくないんだよ」

 

そう言ってKは去って行った。

もうここには来られない、

そう言って足早に去っていった。

 

結局、私はなにかを読み違えていたのだろうか。

何か、大事なメッセージを見逃していたのだろうか。

 

よくわからないけれど、

私とKの曖昧な関係は、たぶん終わった。

何が終わったのか、誰にも説明できないし、

またいつか会うKに、答えを聞くこともないだろう。